「はぁッ?関係ねぇだと?」





目を細めながら、顔をしかめる聖。


奈々は負けじと、ズイッと聖の前に一歩出る。






「ちょっと男の子といただけですぐ怒るしッ!すぐ説教するしッ!あたしのこと心配もしてくんないしッ!」

「はぁ!?心配したから電話して探しに来て今こーしてお前に怒ってんだろッ!?」


「嘘つきッ!怒ってばっかでなんの愛情も見えないよッ!!!」

「なッ…」





奈々は真っ直ぐに聖を睨みながら言いきった。


さすがの聖も、目を見開いて一瞬固まった。





「どーでもいーんでしょ!?あたしのことなんかッ!ほっといてよッ!」






奈々は、クルッと勢いよく聖に背を向けて、ズンズン歩き出す。


呆気に取られていた聖は、ハッ!と気を取り戻して、一歩前に出る。






「―――ッ待てよ奈々ッ!」

「来ないでッ!!!」

「!!!」





奈々の力強い声に、一度ピタッと聖が足を止める。


奈々が背を向けたまま、聖に向かって言い放つ。






「怒ってばっかで…わからずやの聖なんか大ッ嫌い!!!」

「―――――ッ!!!」






聖は、目を見開き、言葉を失った。



だいっ…きらい…?
だいっきらいだと?


何を言い出すかと思えばあいつッ―――!!






「あたし…家には帰んないから!!!」





聖の方へは一切振り返らず、そう言って奈々は再び歩き出す。






「―――待てよ!じゃーどこ行くんだよッ!」

「そんなのあたしの勝手でしょッ!」





ダッ――――――――


そうして、奈々はその場から走り出した。






「おい!!!奈々ッ!」