戻ってよ聖…こんなの聖じゃない…



しばらくすると、聖がハッとしたように目を見開いた。



――――――奈々・・・?



聖は、体を離して奈々を見る。




「………奈々?どーしたんだ?」

「…聖…戻ったの?」

「は??」

「よかったぁ…!」




奈々は聖を力いっぱい抱きしめた。




「え?…え?」

「聖…なんかおかしかったんだよ?」

「俺が?」

「うん…慚を殺すとか言って…すごく怖い目してた」

「…またかぁ」




聖が小さく息を吐く。




「え?」

「俺…キレっと周り見えなくなんだよ」

「そーなの?」

「あぁ。わりぃな…迷惑かけて」

「大丈夫!聖が元に戻ったなら…!」

「…!!つーかお前!!!」




聖は奈々をバッと離した。




「・・・???」

「服…」

「・・・・・・・・・・」




奈々はまた泣きそうになった。

その表情を見て、聖が申し訳なさそうな顔で、奈々の頭を撫でる。




「ごめんな…1人にしちまって…怖かっただろ…」

「うん…すごく怖かったぁ…」




聖は、奈々が慚にキスされてた光景を思い出し、奈々の唇を指で触れた。