教室に戻る。
女子も男子も何人かで固まり、新しいクラスへの不安や期待を語りあっていた。
僕も数少ない友達のところへ近寄り、それに加わる。
「おぉ 池田。1年間ありがとな。新しいクラスでも頑張れ」
池田 瑞季。
僕の名前だ。
よく「女みたい」とからかわれるが、語感が好きなので まあ気に入っている。
「随分形式的だな」と文句を言っていると、1年の時の担任が入ってきた。
「皆進級おめでとう!じゃあクラス発表するぞー」
クラス発表は一人一人 自分のクラスが書いてある紙が配られる。
二年B組、二年B組…
そう念じながら先生から紙を受け取り、サッと見る。
これからはドラマチックなこととか、ロマンスとかを信じるようにしよう。

