「亜美…。私はね密かにアイドルに憧れてたの。
 ナルシストな部分もあって、私だったらいけるかなって思ってた。
 でも亜美はなりたくないって言ってて、否定してたから。
 私がなりたいって言ったら、亜美の気を悪くしちゃうなって思ったの。
 だから言えないまま、時が流れて、オーディションが終わって合格したら電話しようと思ってた。
 でも、やっぱ言えなかったんだよね。」

「…。そんなんで許されると思った!?」

「ごめん。でももう許してよ!!
 私にひどい事して、ファンも減ったんだから!!
 あっ…。ごめん。
 でも、何でお母さんとかに聞かなかったの。」

お母さんに聞けば、わかったはず。

「人間、パニック状態に陥ったら、解決できる道にちゃんと歩める?
 私はそれくらい心配してたんだよ!!
 だって、今までずっと側にいたのに、いきなり連絡がつかなくなるんだもん。」

「…。ごめんね。
 亜美が言いたいこと、ちゃんとわかったから。
 私さ、アイドルやめるから!」

「何でいっつも私が悪いみたいにするの?
 そうしたら、私が唯乃をやめさせたって言われるじゃん。
 もういいから、そのままアイドル続けて。
 私はひどい事したからもう関わらなきゃいい。」

そういうと亜美は静かに階段をあがって行った。
それ以来、亜美とは会わなくなった。