切り合い、傷付け合い、多くの命がこの世を去った。
世界が赤くなる。
それでも握る剣は決して手放さなかった。
倒れる仲間も振り返らず、俺は敵軍の隊長へ剣を振り下ろす。
隊長は俺の剣を受け止めた。
反撃をしかけられ、傷を負ったものの一瞬の隙をついて剣は隊長の心臓を貫いた。
そのまま倒れ込み、兜が転がり落ちて隊長の顔を見た瞬間、俺の心臓は止まった。
そこにいたのは、君だった。
『なんで、なんでこんな場所にいるんだよ!!』
『っ…久しぶり…だね…』
苦しみながらも君は小さく笑った。
あの頃と何も変わらない笑顔で…。
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