「直ちゃん、こんなとこにいたんだ。」 あれは、確かある夏の日だった。 昼休みになると新や卓斗の周りには人が集まり、私は輪に入りづらくて。 校庭の大きな木の下で一人で座り込んでいた。 「卓斗君……。どうしたの?」 「直ちゃんがいなかったから、探しにきた。」 卓斗は優しいから。 私の寂しそうな瞳に気付いていたんだと思う。