【完】─片思い─


「うわっ…」

商店街は、人でいっぱいだった。

日曜日のお昼頃…わかってはいた。
けど、ここまでとは思わなかった。

商店街を歩く中、途中まではぶつかった時に謝ってたけど、段々声が掠れてきて、やめた。
謝ってたら、きりがない。

途中のデパートに入ると、さっきまでの苦しい場所とは大違いだった。

デパートでは、アイス、服、適当に暇をつぶした。

気づいたら、夕方で、直樹も帰ってくる時間だった。

さすがに、人は少なかった。

上機嫌で街を歩いていると、あたしは足を止めた。

「…」

「あれ? 和?」

「…紗季」

「ぇ…稲実と紗季…」

「ぁ、紹介するね、優輝。あたしの親友の」

「紗季、いいよ」

あたしは紗季の話を途中で遮った。

「…ぇ」