【完】─片思い─


「ちなみに、俺女運あるだぜ? 女の趣味も良いって言われる方なんだ」

「だって…。じゃあ、流は目が悪いんだ」

「お前な…っ。少しは喜べよ。和は可愛いよ」

「またそういうお世辞を…」

「お世辞じゃねーって。和は…可愛い」

流は真剣な顔で言った。

冗談なんかじゃない、ってわかるんだけど…。

可愛い、なんて一回も言われたことがなかったし。

「…ありがと」

「ぁ、信じてねーなぁ?」

「…ありがと、流」

そう微笑んで言うと、流はそっぽを向いてしまった。

「? 流?」

「反則…」

「?」

見ると、流の耳は真っ赤。
ちょっと可愛く見えて、クスッと笑った。