【完】─片思い─


「…似てないじゃん」

流が指したのは、水色のイルカ。
ちょっと頬がぷっくりしている。

可愛いけど。

「ぁ、ストラップあるじゃん。俺、これ買お」

「ぇえ?! 買うの?!」

ちょっとビックリ。
流はクールなイメージがあるし…。

「可愛いじゃん」

「まぁ…」

「…」

流はちょっと呆気になっているようだった。

「? 流?」

「可愛いよな、和」

「え、そのイルカ? だから、」

「このイルカと似てる和も、な」

「へっ?!///」

まさか、『可愛いじゃん』『和と似てる』ってそういう事?!

「あ、あたし可愛くないよ!!」

「可愛いって、充分」

「…流は女を見る目がないね」

「んだとコラ」

だって…あたしが可愛いって…。