水族館につくと、あたしは目を丸くした。
今日は土曜日。
だからか、めちゃくちゃ混んでる。
小さな子供連れてきている家族や、2人仲良く手を繋いでる彼氏彼女や。
「すっげぇ混んでんな…」
「あたしもビックリっ! 水族館とか、来た事ないしさー」
「まじ?!」
「うん、あたしの父親、あたしが小さい頃に死んでね。母さんも仕事で大変だから」
「…わりっ」
「なんで流が謝んのさぁ〜!」
…あれ、このセリフ前も…。
『なんで東が謝るの〜?』
あたしは、唇を少し噛み締めた。
「和?」
「ごめん! ほら、行こ?」
「おう!」

