【完】─片思い─


「俺のことも、流でいいよ。名字とか堅苦しいし!」

「わかった。流は、本好きなの?」

「いやっ普通。今日は、暇だったからさ」

「ははっ! 同じ」

「まじ? じゃあ、一緒に遊ぼうぜ?」

「いいけど…あたし金ないよ?」

「いいよ、俺出すから」

「えぇ?! ダメダメ!」

「んーだって、本、貸してくれるんだろ?」

流はニッと笑った。

その笑顔は、本当にカッコイイ。

元々カッコイイのに、笑ったら更にカッコイイに決まってる。

「…わかった」

「よっしゃ! じゃあ、まずは水族館?」

「なにそれっ! デートみたい!」

「…いいじゃん!」

「まぁ、いっか!」

「そうそう!」

あたしは流の隣を歩きながら、水族館へと向かった。