【完】─片思い─


翌日、土曜日。

あたしは暇なので、本屋へと足を運んだ。

りっちゃんみたいな出会いできるかなぁ〜?

なんて、期待しながら。

そうだ…。

『ナイトスタジアム』の小説あったりしないかな?

えっと…あった!

取ろうとすると、ちょうど同じ本を取ろうとした人と指が触れた。

「ぁ、すみません! …ぁ」

「あ」

その人は、この間廊下でぶつかったカッコイイ人。

「あ、あの! これ…」

「俺、いいよ。適当にとってみようと思っただけだしっ」

「でも…」

「いいから! 同じ高校だし、貸してくれればいいからさ!」

彼は優しく笑って、そう言った。

うわぁ…カッコイイ///

普通の女の子なら、一撃だろうな。