【完】─片思い─


お昼休みまでの授業、あたしはずっと上の空だった。

お昼休みになれば、あたしは一人になりたくて、屋上へと向かった。

ちゅー、と音を鳴らしながらイチゴオレを飲む。

「…ぁ」

屋上から、広場のベンチが見える。

ベンチには、仲良く座っている東と紗季。

「…幸せそうな顔しちゃって」

一人、そう呟いた。

「…幸せ、か」

『幸せじゃねーの?』

「幸せ…だよ」

君の笑顔が見られるのなら。

あたしは幸せでいられるよ…。