「久しぶり」 「…久しぶり」 母さんは、力のない笑顔でそう言った。 そのことに、胸が痛んだ。 「ごめんね、バカなお母さんで」 「…」 「和に、いっぱい迷惑かけたわよね…」 「…いいよ、別に。直樹が…いたし」 「…そっか。直樹も、ごめんね」 直樹は首をブンブンと横に振った。 「手紙…」 「読んだよ、ちゃんと」 「…そう」 「使ってないから」 「ぇ…」 「あれは、あたしたちのお金じゃない」