【完】─片思い─


その子は、あたしとは正反対の性格。

人見知りなあたしとは、正反対だった。

「あたしのことは、”かず”でいいよ!」

「ぁ、あたしは、『律嘉』。…でも、名前では、呼ばないで」

「ぇえ?! なんで?!」

「…自分の名前は、嫌い」

『律嘉、あんたはお姉ちゃんなんだから』

…母親が、つけた名前だから。

「ん〜じゃあ、りっちゃん」

「…」

「りっちゃん、って呼ぶね!」

そう、笑顔で言ったんだ──。

その笑顔に、安心したからか、

あたしの心は、開いていった…。