「…ありがとうございます」 あたしはそうお礼を言って、再び自宅へと向かった。 家に着くと、直樹がいつものように「腹減ったー」と言って出迎えた。 「今すぐ作りますよー」 あれから、料理のレパートリーを増やした。 料理の本を買って、時間があれば練習していた。 ──何も、考えたくない。 そう、体が叫んでいるようだから…。