【完】─片思い─


…何分、経っただろう。

ようやく、涙が止まった。

あたしは、資料室の窓から校門の方を見ていた。

「ぁ…」

目に映るのは、紗季と東。
2人肩を並べて、歩いている。

「…」

教室では…

東の隣は、”あたし”なのに。

あたしは窓から離れて、再び作業を再開した。

さっきとは違う。

資料室が、とても広く感じる。