「…約束、あるの?」 「ぁー…、まぁ。って、稲実に隠しても意味ねーよな!」 「…紗季ちゃんと?」 「うん…。紗季、今日委員会なんだけど、2人で帰ろうって、さ…。でも、これじゃあ、いつ終わるかわかんねーよなぁ…」 ガクッとすごいわかりやすい落ち込みかた。 そんな姿に、胸が痛む。 「…メール、した?」 「いちよう…。でも、時間かかるよな…」 じゃあ、紗季きちゃうかもじゃん…。 そしたら、紗季にも東にもバレちゃう…。 あたしは震えた声で、そっと言った。 「…いいよ」 「え…」