【完】─片思い─


「紗季」

「…和」

紗季を呼ぶと、紗季はすぐにあたしの方に駆け寄ってきた。

「…屋上、行こうか」

あたしがそう言うと、紗季はコクンと頷いた。

…今にも、泣きそうな表情で。

屋上に着けば、日陰の部分に腰を下ろした。

「…昨日、東ん家に行ったんだ」

「うん」

「…告白、された」

「…うん」

「紗季、あたし」

「知ってるよ」

紗季は、あたしの言葉を遮って、強く言った。