【完】─片思い─


「っていっても、すぐ近くのアパートな。着替えはこっちで、飯は…たまたま来るから。そんで」

「ちょ、ちょっと待って! いきなりどうしたの?!」

「姉貴にも母さんにも、迷惑かけない方法」

「はぁ?! ってか、母さん捕まったし! このままでいいんだよ!」

「良くねぇよ。俺、男だぜ? 母さんか父さんがいるならともかく、姉貴に全部押し付けるわけにいかねぇじゃん」

「いいよ、押し付けても! いいんだよ!!

何も変わらない、それでいいじゃん!!」


これ以上…変わる必要なんてない。

あたしと直樹で、ご飯食べるだけで…それだけで、充分なんだ。