【完】─片思い─


「姉貴おせーよ!」

「…」

いつも通りの直樹に、驚きながらも、口元が上がった。

「どこ行ってたんだよ。俺、腹ペコペコなんだけど」

「ちょっと友だちん家にね! オムライスでいいよね?」

「オムライスしか作れないんだろ?」

「うっさい!」

いつもの会話に心からホッとしてしまう。

あたしは上機嫌で、オムライスを二つ分作った。

「はい、おまたせ!」

「おう!」

あたしはエプロンを外し、椅子に座った。