【完】─片思い─


「…んで、なぁにがあったの?」

「…ナンノ話デスカ」

「とぼけんな。…保健室で、何かあったでしょ」

「…りっちゃんには、敵わないなぁ」

あたしは、りっちゃんに保健室であったことを全部話した。

もちろん、授業をサボって第二図書室で。

「…まじ?」

「まじまじ〜」

「笑う事じゃないでしょ…」

「笑えるよ…。笑っちゃうよ、ほんと。

ずっと好きだった人が、彼女いるのに、彼氏いる人にキス、って…。

笑っちゃうでしょっ…」

「東くんは…和のことが、好きなんじゃない、かな…」

「…」

「和だって、気づいてるんじゃないの?」

「…わかんないよ、そんなの」

あたしは、そう言い捨てて、踞った。