【完】─片思い─


「よかったぁ〜!! ちょっと待ってろ」

東は、氷を袋に包んで、あたしの手に置いた。

「それで冷やしとけ」

「ありがと…」

「おう! んじゃ、あとは一瀬に」

「あの…ありがと」

「さっき聞いたって!」

「そうじゃなくて! …海で、あたしが溺れた時」

「!!」

「本当は…東が、助けてくれたんだよね。ありがと!」

「…おう!」

あたしはそっと微笑んだ。

嬉しさが込み上がってきた。