【完】─片思い─


*和side*

翌日、東はいつもと同じように学校に来た。

「稲実、はよ!」

「…おはよ!」

あたしも、東と同じように、笑顔で返した。

「昨日どうしたの?」

「ぁー…保健室?」

「噓だ! どうせ、紗季と一緒にいたんでしょー!」

「ははっ! 稲実に隠しても意味ねぇよな!」

やっぱり…。

「そっか!」

あたしは精一杯笑顔を向けた。
それと同時に、担任が教室に入ってきた。