「やべっ。授業終わってんじゃん…」 「…優輝、お願いがあるの」 「ん?」 「…和が、一瀬くんと別れるまで…あたしと一緒にいて!」 「…わかった」 俺は、紗季の頭を優しく撫でた。 「紗季…帰ろうか」 紗季は、小さく、頷いた。 もしも… あの時── 俺が、溺れてる稲実を助けた後…稲実のそばにいたら、 稲実は、まだ俺を好きでいてくれただろうか。