【完】─片思い─


そうだ…。

流なら、知ってるかな…?

「流」

「ん?」

「──海に行った時、何かあったの?」

そう聞いた瞬間、流の表情はいっきに曇った。

この時表情…きっと、ずっと忘れない。

「ぁー…東と三浦、いたじゃん?」

「ぇ、うん」

「和が溺れた時、2人もいて、すっげぇ心配してた」

「…だけ?」

「それだけ! 和は、なにも気にする事ねぇって!」

「…そっか!」

あたしは、購買で買ったパンを口に頬張った。

この時、悟ったんだ。

三人は…

何か、隠し事してるんだって。