【完】─片思い─


「…後で、慰めてあげてね。彼氏さん」

「…ん」

それ以降、東とは会話もしないまま、お昼休みを迎えた。

あたしは少し急ぎ足で、裏庭へと向かった。

「…ぁ、流!」

「こっち!」

あたしは流の隣に座った。

「…三浦、すっげぇ元気なかったけど、なんかあった?」

「ぁ…ちょっと、喧嘩しちゃって」

「喧嘩? 珍しくね?」

「うん…。っていうか、今回が初めてっ」

あたしと紗季は、喧嘩なんかしなかった。

お互いに気を遣っていたからかな…?

『喧嘩するほど仲がいい』

なんて、言うけど…喧嘩しなくても、仲がいい。

そんな親友がいてもいいと思ってる。