「紗季と、幸せにね!」 「…うん」 「じゃあ、バイバイ!」 「…おう!」 あたしは、自分の家の方に走った。 消すんだ、このキモチ。 もう…紗季に心配かけたくない。 消すんだ…。 だから、今だけ…。 「ふぇっ」 今だけ、泣かせてください。 あたしは、東へのキモチを、涙に変えるように… 子供のように、大泣きした。