【完】─片思い─


あたしは上機嫌で、スキップしながら、家へと向かっていた。

「〜♪」

「…稲実?」

「?!」

後を振り返ると、息を切らしている東がいた。

あれ…?

隣に紗季がいないなんて珍しい…。

「東じゃん! 自主練中?」

「ぁ、まぁ…」

「そっか! ぁ、一応報告!」

「?」

「あたし、流とつき合うことになった!」

「…ぇ」

もう、東を見れない。

東へのキモチを、消すんだ。