【完】─片思い─


「すっげぇ、嬉しい。今日で、終わりかと思ってたし」

「ぁ、あの、流…」

「東へのキモチが消えてなくても、いいから」

「…」

「夏休み前も言ったろ? 俺は…和と一緒にいたい。和が、隣にいればそれでいいから」

流はあたしの額に、そっとキスを落とした。

「今も、東を好きでもいい。俺と、一緒にいたいっていうキモチで充分」

「ありがとぉっ…流」

あたしは、なぜか大粒の涙を流した。

流は、「なに泣いてんだよっ」と苦笑いしながら、あたしの涙を袖で拭った。

「…好きだよ、和」

流は、そっとあたしの唇に、キスをした。

心臓が、飛び出るぐらいドキドキした。