【完】─片思い─


*東side*

「紗季!」

「! 優輝!」

俺は彼女、紗季の隣に座った。

「? あれ? 今日は購買なの?」

「そういう紗季もじゃん」

「うん! モチモチパン! 好きなの!」

「ふぅん…」

俺はククッと笑った。

「? なに?」

「いやっ! 知り合いに、紗季と同じ事言うおもしろい奴がいてさ」

「へぇ!」

稲実 和。
中学一緒で、結構話してた。

紗季は、高校で初めて喋り、好きになった。
稲実と同じクラスだったのを覚えている。