【完】─片思い─


「…ごめん」

「えっ」

流は立ち止まり、謝ってきた。

なんで…流が謝るの?

「りゅ、流が謝る事はないよ! あたし…あの場から離れたかったし…。

だから、感謝してるの! ありがとう!」

流が、あたしのキモチを悟ってしてくれたことだって、わかってる。

ありがとう。

その言葉しか見つからないけど…。

「ありがとう!」

「…ごめん」

「だから謝らなくていいって! それよりさ、スイカあるよ! 食べよ!」

「そうだな! 向こうの店でいいか?」

「うん!」

流はあたしの手を取り、さっきの小さな店へと向かった。