【完】─片思い─


もうすぐ三年生。

俺は、微妙なキモチで仕方なかった。

さすがに…キモチ伝えないとな。

「ぁ、あずま」

「? なんすか」

担任に呼び止められ、大祐に「先、行っていいぞ」と言った。

「ちょっと稲実にこれ渡してくれ」

「は? クラス違うし」

「最近、仲がいいって聞いたぞー」

どんな噂だ、おい。

…まぁ、いっか。

俺は渡されたプリントを届けようと、稲実の教室に向かった。

教室には、稲実だけがいた。

まぁ、放課後だし。当然だよな。