【完】─片思い─


それから、暇があれば、稲実のクラスに足を運んでいた。

稲実はいつも、「さき」という女の子と一緒にいる。

そして、俺の好きな笑顔でいるんだ。

「なぁ、稲実の事好きなの?」

「ぶっ」

昼休み、友だちの大祐と一緒にいたら、いきなり聞かれた。

「…図星?」

ニヤニヤした顔で聞いてくる。

正直、ウザイと思った。

「…そうだよ」

もういいや、バレても。

どうせバレるし。