「…いつ、気づいた?」 「今…。いつもの、紗季ちゃんと違ったから…」 「そっ、か。ヘマしちゃったなぁ」 「…あの」 「笑えないの」 「ぇっ…」 「よく、わからないんだ。なんでおもしろくないのに、みんな笑うのかな、って。だからみんなに合わせて笑ってたら、本当の笑い方…忘れちゃったんだ」 「…」 「終わり! さっ! 帰ろう!」 「ぁ、うん…」 あたしはベンチからちょっと走ると、何もないところで転んでしまった。 「うぎゅばっ」 今、あたしなんて言った?? しばらく、沈黙が続いた。