【完】─片思い─


終業式が終われば、あたしは先生の手伝いをやらされていた。

「はぁ…」

稲実ちゃんのメアドとか知らないし…。

夏休み、稲実ちゃんに会えないのが、すごい寂しく感じる。

けど、不思議な事に、稲実ちゃんの笑顔を見ると、

ときどき、胸が痛いんだ…。

少し外に出ると、ベンチに稲実ちゃんが座っていた。

「ぁ、いなみ…」

ベンチに座っている稲実ちゃんは、いつもの稲実ちゃんと違った。

冷たい目…。

いつも、笑っている稲実ちゃんは、そこにはいなかった。