それから、あたしの休み時間は稲実ちゃんと話す時間になっていた。 本も、あれ以降進んでいない。 稲実ちゃんとの会話は楽しい。 お互いにまだ、名前呼びなんかは馴れてないけど。 稲実ちゃんは”紗季ちゃん”って呼んでるし、 あたしも”稲実ちゃん”だ。 気づいたら、もうすぐ夏休みに突入しようとしていた。