昼休みや休み時間、このクラスは出入口を全て野次馬に塞がる。

今日は特に多いが。


教室から出るのは至難の技で、出れたとしても人気の多い学食弁当は売り切れてしまう。



なんで鞄に弁当が入ってなくて団子は入ってんのよ。


心の中で、そう文句を言った。



「今日は人が一段と多いね。まぁ、原因はハッキリしてるけど」



そう言うと千尋は、女子に取り囲まれた真白を見た。


私はため息をもらしながらおにぎりを完食した。

それでも腹は満たされない。

仕方なく、鞄から団子を取り出した。


今の私の食欲を満たしてくれるのはもうこいつしかいない。



「な、なにそれ…」

「団子。千尋も食べる?」



千尋は苦笑いを浮かべた。


そりゃそうだよね。

タッパに団子詰めて持ってくるなんて非常識だもん。


自分でも分かっているけど、何か食べなきゃ午後の授業で死んでしまう。

苦渋の決断だ。


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