「サンキュ。今度蒸しタオル使ってみるわ」

「あぁ」



そう言うと、倉知は机に突っ伏して寝始めた。


クラスの男子は、倉知がテレビの世界の人間だからと近づかないでいる。

女子は女子で、好奇の目で彼を見る。


そんな状況で、以前は全く学校にこなかったが、夏休みを明けてからはちょくちょく登校するようになった。

冬休みが近付くにつれてご機嫌になっているように見てとれる。



「チャイム鳴ったぞー。座れ〜」



担任が教室に入ってきた。

皆はお喋りをやめて席につく。


千尋も席に帰っていった。



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