「ただいま〜」



家に着いて、リビングに行く。


お母さんはコタツに入って夕方のワイドショーを見ていた。


コタツの上には、ミカンならぬ串団子がパックに入ったまま置いてある。

パックには半額のシールが貼ってあった。


三本入る構造のその中には、二本入っている。

お母さんが一本食べたのだろう。


お母さんはテレビから視線を離さずにお帰りと答えた。


暇そうだし、さっきあった出来事を聞いてもらおっと。



「ちょ、お母さん聞いて」

「ん〜?」

「今さっき、近所の公園で変なジジイに会ったの」



私はさっき起きた事を全て洗いざらい話した。


でもお母さんはへぇ、とか声をもらすだけで、反応がイマイチ。

驚いてもらいたくて事細かに説明していると、時計の針は6時を過ぎていた。



「…桃華」

「でね─…ん?」

「夕飯の支度するから続きはまた今度ね」



軽く私をあしらったお母さんは、そのまま台所に行ってしまった。


ちょっと悔しくて、自室のベッドへダイブした。




子犬が喋って空からジジババが現れるのって普通の事なのでしょうか。




お母さんがあんな反応するとは思わなかったな。


よし、明日学校で千尋に話してみよう。

帰ってきたら弟の袁次(エンジ)にも話してみよう。




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