瑠璃子の家は医療器機製造、販売を主とする大きな会社の娘だった。
大蔵が大学を開設する際にバックアップをしてくれて投資をしてくれた。
瑠璃子の父親が投資話しをしに大蔵の元に来た際に、娘を嫁に…
と言う話が本人達が知らないうちに約束がされていた。
正臣と瑠璃子の話がどんどん進み、一臣は別れを切り出した。
最初、正臣からお見合いの相手が瑠璃子だと聞かされた時は驚きと怒りで可笑しくなりそうだった。
しかし…正臣のあんなに幸せそうな姿を見てしまったら…
それに、家を裏切る事が出来なかった。
瑠璃子も又、どうする事も出来なかった。
何度、ドラマのように何もかも捨てて一臣と一緒に逃げようと思ったか…
しかし…出来なかった。
家を捨て、この裕福な生活を捨てて逃げる事なんて…
それに…正臣は優しい人だった。
一臣と瑠璃子は納得して別れを選んだ。
2人の仲を知る者は家族には居なかった。
しかし…
