アクシデントな恋


美里は大蔵の意外な言葉に驚いたが…

「留学に全面的にバックアップと言いますと…?」


「ワシの知り合いに北京で漢方薬を教えている教授がいるんだが…
漢方に興味が有るなら一度は聞いた事があるとおもうんだが…
ワン・ウェンチンと言う人だ。」



大蔵がワン・ウェンチンの名前を言うと美里は急に目を輝かせながら


「ワン教授とお知り合いなんですか?
私が漢方に興味を持ち始めたのは、ワン教授の本を読んでからなんです。」


「そうなのか…もしも彼のゼミに行きたいのであれば向こうの大学と話をして交換留学を考えている。
どうだね?行く気はないかね?君のやりたいようにしなさい…」



大蔵は美里へのお詫びの気持ちもあったが…
祖父の立場になると、龍からはなしたかった。


美里は大蔵の気持ちがわかっていた。

自分が龍の近くにいる事で寿麻と龍の関係がうまく行かない事を…

美里は行く事を決めた。

勿論、龍を諦める為でもあるが、ワン教授のゼミにはかなりの興味があった。