龍は学長に今日起きた全てそして、美里との事を話す為学長室に向かい…
ドアの両側にいる秘書達を見て、何かが学長室で起きている事を感じた。
龍は秘書の1人に中に入れないように押さえられたが、それを遮り中に入っていった。
中ではちょうど寿麻が何かを言おうとしている所だった。
勢い良く入って来た龍を3人は一斉に見た。
そして、潤が
「ちょうど良かった。今から真実を寿麻ちゃんに話してもらう所だったんだ。
そして…今日、僕は寿麻ちゃんを婚約者として迎えたい事をお祖父様に話したよ…別にいいよね。」
それを聞いた龍は
「俺が全て話す。潤…お前との話はその後だ。」
そう言うと、龍は大蔵の前に行き
美里との事…そして寿麻との契約を全て話した。
その話を聞いて大蔵は
「ワシをどれだけバカにすれば気が済むんだ!!
一体なんなんだ…龍、お前がしたことは許される事では無い!
女性を2人も悲しませた。
それだけでは無いぞ…
来月には婚約パーティーを開く予定になっているんだぞ…すでに招待状を配ってしまった。
それに…潤と寿麻さんは…どうなっているんだ。」
大蔵は怒る気力も無いと言った状態になり
ソファーに座り頭を抱えた。
そんな大蔵に龍は
「騙していた事は申し訳ないと思っています。
しかし…寿麻との婚約を解消するつもりはありません…
俺にとって大切な人ですから…
まして潤に渡すつもりもありません。」
キッパリと龍は言った。
しかし…寿麻は
「いい加減にして…私の気持ちは…一体なんなのよ!龍も潤君も…」
そう言うと学長室から駆け出した。
寿麻はどうしたら良いのか解らなかった。
全てがわかってしまったら龍との関係も
龍とのゲームも終わってしまう…
龍の<大切な人>と言う言葉も今の寿麻には
大蔵に対しての言い訳にしか聞こえなかった。
