涙はんぶんこ

家の扉をあけると
母が荒れてた



また・・・か




ため息を押し殺し近づいた



寝てる・・・
ほっとする




そのとき
「・・・あんた帰ってたの?」
とむくりと起き上がる母




母は容姿端麗
その美貌をいかしてたくさんの人を騙してきたそうだ



今日はうまくいかなかったのか
床にいっぱいのものが散らかってる



「今かえってきたの」



「そう」
そう短い返事をした