「水夏ぁ、やっぱ好きだったよう」



電話で、情けない自分に対し愚痴を零す。



「んー…いつかはこうなる気がしてたよ。私は。」



なんだよ、それは。



「もうさ、当たってバーンと砕けちゃいなよ?そっちが未來っぽいって」



これでも水夏は、真剣にアドバイスをくれているのだ。



なんせ、幼い頃から私を見ていて、私の性質をよく理解している。



うだうだして後悔して終わるのが関の山だ。



水夏はそれを言っているのだ。



「もうさ、あれだよ。男は胃袋で掴むんだよ」



「バレンタインも近い事だしねっ」と進める水夏だが、バレンタインに渡すとか、重すぎない?もう気持ちバレバレじゃない?



「何言ってんのー、あんたの気持ちとか中学の時点でバレバレでしょー。周りもあんたも気にしなかったけど、芦田は気にしたんじゃない?」



あはは、と笑い飛ばす水夏にはもう天晴れだ。