「君の演奏もぜひ聴いてみたいね」
「そんな…人様に聴かせられるようなものじゃ…」
「ふふっ。じゃあ、僕は挨拶まわりがあるから失礼するよ」
山崎は軽く会釈をすると広い会場に消えて行った。
「あら、何かしらあの方」
「安物のドレスにノーメイクなんて品のない」
「場違いにも程がありますわね。」
女子の三人組が麻衣子に近寄る。
「山崎さんに媚びうるなんて、庶民のクセに生意気ね」
「別に媚びうってなんか…!」
「じゃあ何だって言うの?」
「普通にお話してただけよ」
「黙らっしゃい!」
――バシャッ
女の一人がグラスの中のジュースを麻衣子の顔にかけた。
「目障りだって言うのよ。庶民のクセして」
「その汚い顔で楽しむといいわ」
「ご機嫌よう」
女の三人組は鼻で笑って去って行った。

