そんな彼女はあるコトから運命の恋に堕ちる――。
授業が終わり、帰ろうとした麻衣子の肩を担任の片瀬が叩いた。
「羽田!お前、次のピアノコンテスト出たくないかぁ?」
「ピアノコンテストって…埼玉ですよねぇ?…私、今金欠なので交通費は…」
「無料で行きたくないか!?」
「それは…行きたいですけど…」
その言葉を待ってましたとばかりに片瀬はニヤリと笑う。
「今晩暇か!?」
「え?あっ、はい」
「なら、これを頼む!」
「え?『神藤楓 バースデーパーティー』…?」
手渡しされたのは『神藤楓 バースデーパーティー』と書かれた招待状だった。
「俺、どうしても外せない用事があるんだ!だから、パーティーに行ってくれれば埼玉へ無料で連れて行ってやる!」
「でも…パーティーなんて行ったコトないですし…」
「美味いもんがたらふく食える!格好いい男とトキメキ出逢える!キラキラした世界に居られる!…良いこと尽くめだろ?」

