「何でメガネじゃないの?コンタクトにした?
うわ、どうしよう。すっごくいいんだけど、これじゃ、またライバルが増えてしまう」
やっぱり、あたしと同じことを考えるんだ。
「スイちゃんはいいわよ。
幼なじみなんだから、他の子より、一歩だけは一ノ瀬くんに近い位置にいるんじゃない。
あたしなんか、顔見知りでしかないのに」
いや、この間『ビジー状態』だって言われるようなことをしてたじゃないか。
ただの顔見知り以上だと思う。
けど、木田に言わせれば、あたしは、それ以上に有利なんだ。
「まあ、気長にがんばるしか、ないんじゃない?」
「えっ?何?その余裕!?」
「余裕なんかない」
真顔で言うと、笑われた。
「そうか。だから協定やめたいんだね。わかった。じゃあ、お互い頑張ろう」

