氷の触手が、水を舐めると、水は凍りに取り込まれてゆく。 ・・・・・・しまった。 今、連の中で何かが凍りつくのを、あたしは、黙って、見ている。 「相手が結納品を持ってやってくるんだ。両方の両親も顔をそろえる」 連は、無感情に説明してくれてから、 「結婚するんだ...」 さっきと同じ目のまま、唇の端をつりあげて、笑った。 無理矢理な、笑い。 何で、笑うんだ。 素直に悲しめばいいのに。