臆病な私は君への想いを
音に込めるしかなくて、

いつもその音が君に届くように
祈ってた・・・。



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今日も君に想いを伝える時間が
終わって、
重い楽器を背負いながら
階段を駆け降りる。


-・・私、鈴本真優は吹奏楽部の
部長になったばかりの
中学2年生。


中2といえば、
中学でいちばん楽しい時期と言って
周りの子たちは恋愛に一生懸命で、


今日も・・・
下駄箱に手紙が入ってて、
男子に放課後呼び出されたとか、
クラスの誰かが言ってた。


-だけど私には
そんなのあるはずもなく、


「はぁ~・・」

溜め息をついて下駄箱を閉める。